工業高校卒業後、日本無線に入社し、ハードウェアの品質管理業務に従事する。その後、電気通信大学夜間主コースに入学し、ソフトウェア品質保証・テストを専門とし博士課程まで進学する。博士号取得後、2011年日立製作所に入社し、ソフトウェアのQAエンジニアのキャリアをスタートさせる。2017年ディー・エヌ・エー、2021年メルカリ、2023年ナレッジワークに入社し、全てQAエンジニアとして従事する。ナレッジワークではQAとしてプロダクトチームに所属しQA業務を担当する傍らQAのバーシャル組織である QA Guildの取りまとめとして組織運営にあたる。博士(工学)。
スピーカー
河野 哲也
略歴
発表について:
- 言語:日本語
バーチャルなQA組織の作り方とその実践事例
当社では以前、QAエンジニア(以降QAEと略す)はQAグループに所属し、品質に関わる横断的課題に対応しつつ各QAEは開発グループメンバーの一員としてQA業務を遂行していた。しかしながら、QAEの増加やプロダクト数の拡大に伴い、各開発グループとQAグループにおける組織目標やOKRに対しアラインすることが複雑になっていた。
それを簡便にするために、QAグループを解体し各QAEは それぞれの開発グループに所属するような組織改編を行った。例えば各QAEのレポートラインは開発グループのマネージャとした。なお、結果的には現状すべてのマネージャはQAの専門性を持っていない。
この改編に伴い、QAE同士の横連携の希薄化や開発組織全体における品質施策の停滞が予想された。そこで、組織改編と同時に各QAEが所属するためのバーチャルな組織としてQAグループを発足させ、例えば以下のような施策運営を行っている。
・ザッソウ会:雑に相談ができるミーティング
・Quality Practice Map:各開発グループの品質施策の見える化
・インシデントの共有:発生したインシデントの詳細説明と理解
・新規機能の共有:他プロダクトからの関連性把握やリスクの洗い出し
本発表では、上記にとどまらず施策全体を報告する。また、このような事例は一般的なQA組織運営でも参考になると考える。